夕陽の咲いた テトラポッド

フジツボ張り付く  防波堤

素足投げ出し 波を向かえて

両手を合わせ 願いましょう



大海の先の先にある 陸の海へ

イルカと共に 走って行けたら

私の香りは 色褪せることなく

アナタに 届けられるのかしら



燃える橙色の海に 飛び込んで

焼け死ぬというのも また一興

その後に遺る 鮮やかな灰色は

流れ流れて アナタが掬うのよ





今日の終わりは 明日の始まり

私の最期で アナタは生まれる





ほら七色の 境界線を見上げて

生死の狭間を 告げる虹を拝み

天国の階段 地獄の階段を前に

どちらを昇るかは 私が決める





ヘアピンきらり 輝く夕暮れ

両手を広げて 迎えるアナタ

寂しかった? 問うてみれば

君はどうなの? と返された