だから 言ったのに
あぁ 君に向けられた
銃口の闇 哀しき末路
指に黒ずむ 白金の輪
私は唄う 軽やかな声
雨音 蝕む 廃墟の王城
戦い疲れた 銃と人々に
微かに現われた 虹の間
いつかの私を 封じ込め
いつかの君を 叩き潰した
永遠の愛だなんて 誓えるわけがない
一生愛するなんて 不可能極まりない
戦上の男女なんて ありきたり過ぎて
悲劇にも喜劇にも 見放されてしまう
幸せな人生とは 何なのか
君を殺す 人生は不幸せか
私の幸せ 一体誰が決める
私は 自分で自分の幸せを
決めることなど 出来なくなった
涙の弾丸 呆気なく君を貫き
血を噴く君の 眉間を眺めて
飛び出た 血塗れの水晶二つ
愛おしみながら 拾い上げた
君と交わした 指切りも
君と交わした 約束達も
数え切れない 想い出も
薄紙が 水に沈むように
融けて消えゆく だけだった
滲んだ惨状 とても愉快で
狂い笑い 君の上に倒れて
愚かな世界に 叩き付けた
私の声は どこの誰に届く
「これが私の、幸せか」
だから 言ったのに
最初から望むな そんなモノ
腐った林檎 踏み潰すように
グチャグチャに してしまえ
何も考えず ただ ひたすら
あぁ 君に絡み巻きついた
十字架の鉄鎖 哀しき終焉
指に緋ずむ 白金は錆びて
私を鮮やかに 置き去った